◇乾燥材で強くてクレームの少ない住宅を◇


近年、住宅工法の変化や加工のプレカット化による工期短縮にともない、乾燥材の需要が急速に増加してます。また、一般のお客さんも強 度の強い住宅を求める声が高くなっています。
こうした需要に応えらるためには乾燥材が必要となってきました。

乾燥材を使うメリットは、
1 木材の狂い・収縮が少ない
製材直後の木材には多くの水分が含まれています。この水分が繊維飽和点(含水率約30%)以下にになりますと木材は収縮し吸収すると膨張します。
2 菌や虫に犯されなくなる
含水率が20%以下のなると、普及菌や変色菌に犯されなくなります。また、虫がついても乾燥温度60℃ 以上で乾燥すると、幼虫・卵まで死滅します。
3 木材の強度が強くなる
木材の強度は繊維飽和点(約30%)以下になりますと、含水率が低くなる程強度も増します。
4 加工性がよくなる
一般的に、切削・接着・塗装・薬剤処理などの加工性が良くなります。
5 保湿性が良くなる
含水率が低い程、熱伝導率が低下するため保湿性が良くなります。
6 運搬が楽になる
乾燥すると木材の重量が軽くなるので、輸送が楽になります。また、輸送コストも軽減されます。


などがあげられ、こうした利点を持っている乾燥材を使用して強度が強く、クレームの少ない住宅を作っていこうと考えてます。

◆乾燥されてない木はこんな事も

 床のねじれ
主な原因:根太の収縮
 床鳴き
主な原因:床材の接着不足、      根太の収縮
 カビ
主な原因:壁面内に生材使用
 柱と戸の間のすき間(建具の          不具合)
主な原因:柱のねじれや収縮に     よるすき 間
 壁面クロスの割れやしわ
主な原因:壁面内の柱・間柱の   収縮による狂いやねじれ
 外壁のヒビ割れ
主な原因:梁桁・下地材の収縮     による狂いやねじれ
     

      ◆末乾燥材による木材変形等


木材は水分を多く含んだ状態から、含水率約30%(繊維飽和点)以下 になると、木材の性質は大きく変化しはじめます。また、日本において大気の平均含水率(外気の温度・湿度に応じた状態、材質は安定する)は約15%といわれてますが、冷暖房設備が完備されていると更に2〜3%低くなります。このため木はあらかじめ乾燥されることがベストと言えるでしょう。

       ◆木材の割れ


木材の割れは、人工乾燥により抑える事ができます。
木材の乾燥による収縮は、木材の半径方向と周囲方向(接線方向)でことなることが良く知られています。
自然乾燥の場合には、この木材の特性に加えて乾燥が均一に進まず、乾燥ムラが発生することなどが割れの原因になります。
人工乾燥では、人工的にコントロールされた環境要素(温度・湿度・風等)の下で材の乾燥状態に合わせて、それぞれの要素を変化させます。人工乾燥では、高温(比較的高温)で適切な湿度を与えながら乾燥させるので木材が柔らかくなり、自然の環境では発生する割れや狂いを格段少なくすることができます。このことから、人工乾燥では木口割れも自然乾燥の場合よりも少なく、割れの程度も少なくなります。

       ◆干割れと強度


スギの構造材(心持ち正角材)では、人工乾燥(及び天然乾燥)した場合、どうしても干割れが発生しますが、干割れは木材の収縮率が最も関係しています。また木材の収縮率は密度と深く関係していると考えられています。木材の強度と干割れの関係は、以下のようになります。
高い強度の木材マ高い密度の木材マ著しい収縮の発生マ大きな干割れの発生すなわち高い強度を持つ木材ほど干割れの発生率が高いと考えられてます。
宮崎県工業試験場の荒武氏の「構造材の干割れと力学的性質」によると干割れは、曲げの強さやヤング係数(たわみ)には影響しないと報告されています。

       

    ◆生材と乾燥材の強度比較


木材を乾燥すれば強度も増します。
高知県工業技術センターによりますと、含水率30%から含水率1%の減少に伴いヤング係数(たわみに耐える力)は1.1%増加するといわれてます。      

 曲げ強度比較表
   区分   生材(平均値)  乾燥材(平均値)
  含水率(%)    82.4
18.3
ヤング係数(tf/cm2)    64.1    76.4
破壊強度(kgf/cm2)    315    361
    

        ◇木の値段は高くない◇ 


木の家はよく高いと思われますが、家一軒に占める木材代金は一般的に1〜2割を占めると言われてます。この1〜2割の金額により家の構造という責任を受け持ち、なおかつ人にやすらぎを与えるなど大事な役割を果たしています。また、乾燥に要する経費は建築費全体の2%前後です。
乾燥材を使用すると最初に述べました数々の利点が得られ、住宅のクレームが少なくなります。また、家が長持ちする事を考えますとトータルのメリットは計り知れないものになります

 在来軸組工法見積例(47.72坪)坪単価740.795円 

 名称  単位  金額(円)  割合%
 仮設工事  1式   1.229.150   3.5
 地盤改良工事  1式   1.688.112   4.8
 基礎工事  1式   1.851.000   5.2
 木工事  1式   4.321.480   12.2
 金物工事  1式
533.800
  1.5
 手間工事  1式   4.679.200   13.2
 屋根工事  1式
480.900
  1.4
 板金工事  1式
2239.00
  0.7
 アルミ建具工事  1式   1.650.750   4.7
 木材建具工事  1式   1.370.650   3.9
 内装工事  1式   1.436.100   4.1
 左官工事  1式
189.700
  0.5
 タイル工事  1式
790.475
  2.2
 塗装工事  1式   1.404.700   4.1
 雑工事  1式
977.800
  2.8
 電設設備工事  1式   1.024.430   2.9
 給排水設備工事  1式   1.891.350   5.4
 付帯設備工事  1式   2.999.715   8.5
サイディング工事  1式   3.061.900   8.7
 ガス工事  1式
330.550
  0.9
 諸経費  1式   3.200.000   9.1
  計     35.350.762   100

  【97年度版 住宅の建築コストがわかる本住まいのくらしシリーズより】