何でも相談室 相談例8−2

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自閉症ではないか?と言われたのですが(知能面での遅れが気になります、その後)


相談

 さおり先生、お元気でご活躍の事と思います。

 以前、長男の精神面での発達の遅れについて、ご相談させて頂いたHです。今日、1歳6ヶ月検診がありました。あいかわらず発達が遅く、心配していたのですが、やはり遅れがあるとの事で、来週にもう一度診て頂いて、発達訓練を受けるかどうか決めるということでした。

 検診では、積み木を積む事はできましたが、絵本の指さしと鉛筆のなぐり書きが出来ず、小児科の先生の診察では”ボールを取ってきて”というのと、先生や私にボールを渡すというのができず、先生に「言葉その他に遅れがあります。視線が合わないのが気になる。」と言われました。

 家では、視線が合わないということはないのですが、わざと目をそらせることはあります。(叱られている時や他のことに気を取られている時)

「今の時点では、障害によるものか、ただ少し発達が遅れているだけなのかは分かりません。」と言われました。もし障害がある場合、どの様な病気が考えられるのか、障害ではない場合は、今の遅れは、いつかは追いつくものなのか、このまま遅れたままなのか、先生のご意見を聞かせて頂きたく、メールを出しました。

 最近の長男の様子で気になるところは、

 ・相変わらず、まね(バイバイなど)をしない。
 ・指さしをしない(絵本に対しても、自分の欲しい物などに対しても)
 ・言葉はバアのみ。(前回ご相談した時は、まんまらしき事を言っていたのに今は全く言いません。)
 ・「ゴミをポイして」は、喜んでやるが、「○○取ってきて」等はしない。

新たにできるようになったことはない。

 やはり、1歳6ヶ月にしては発達が遅れすぎでしょうか。

お忙しいとは思いますが、どうか宜しくお願いいたします。



尾木


こんにちは。尾木です。

 生まれつき目が合いにくい子、コミュニケーションの発達に遅れがある子は、時々います。こういう子は医療機関を受診すると自閉症と言われることがあります。でも私が思うには、自閉症といわれる子の中にも、脳障害による本物の自閉症から、一見するとそう見えるだけの子など様々です。私は、生まれつきコミュニケーションが難しい子もひとつの個性だと思います。そして軽い症状なら育て方で良くなる可能性が十分あると思います。

この間のメールと重なるかもしれませんが、そのポイントを書いてみます。

1,たっぷりスキンシップをしよう。
 だっこはもちろんのこと、ほっぺやおでこをくっつけ合わしたり、キスしたり、息子さんを小さな恋人と思ってみたらどうでしょうか?おふろもスキンシップの良い機会です。おかあさんの素肌、おっぱいなどもどんどんさわらせましょう。赤ちゃん返りおおいにけっこうです。

2,目と目の接触を大切に
 1をしていると、おかあさんと子どもの心のひびきあいが自然に生まれます。心が通い合うと自然に楽しく目と目が合ってきます。ただ子どもの目を見つめれば良いというわけではありません。

3,おかあさんが子育てをゆったりと楽しんでいて、幸せであること。
 実はこれが最も大切で、これがなければ1も2も自然にできません。この子が好きだ、この子が生まれてきて良かった、と感じることが、子どもの心を豊かにします。そのためには、まわりの家族、特におとうさんの理解と協力がとても大切です。おとうさんに精神的に暖かく包まれているおかあさんは、その子を暖かく包み込むことができるようです。

 子どもにいろいろ教えよう、教えようとするとおかあさんがイライラするし、子どもも敏感に気配を察しますます心を閉ざすことも多いものです。子どもとの心のひびきあいを大切にし、言葉でないコミュニケーションが生まれると、そこから自然に言葉も生まれるように思います。

 子育ての参考となる本では児童精神科医の渡辺久子先生の「こころ育ての子育て(白石書店)」という本があります。渡辺先生は2人のこどものお母さんでもあり、先生の言葉はお母さん方に勇気を与え、心を豊かにしてくれます。

 子どもの発達の悩みは、いろんな人にいろんなことを言われ、Hさんも落ち込んだりすることも多いと思います。こういうメールのやりとりでよかったらいつでもお話うかがいますので、ご遠慮なくメールください。



相談

さおり先生、あたたかなメールをどうもありがとうございました。

先生のメールを読んでいて、思わず泣いてしまいました。先日の検診で「遅れがある」と言われてから、「長男は障害を持っているかも・・」という思いが頭から離れず、ふとした時に涙がでてきてしまいます。まだ、はっきりと決まったわけではないのに、もっとしっかりしなくてはいけませんよね。

 長男は、2度流産した後、やっと授かった宝物です。私達夫婦にとっても、両方の親にとっても。主人は旧家の長男なので、やはり「跡取り」という責任があり、(主人の親からは、跡取りのプレッシャーはありませんが)長男が生まれた事で、ほっとした気持ちもあったんです。もちろん、そんな事より、単純に赤ちゃんが授かった喜びが大きかったのですが。無事に生まれてくれた事で、安心し、まさか発達が遅れるなんて、障害を持っているかもしれないなんて、考えもしませんでした。流産を経験した事で、「うまくいって当たり前」なんてごう慢な事は、思っていませんでしたが・・・。ごめんなさい。なんだか愚痴になってしまいました。

 長男は、小さい頃から手のかからない子でした。私がいなくちゃダメ、と言う事もなかったし、初めの頃は私より、主人の方になついていて、寂しく思ったくらいでした。人見知りも、ひどくはなく、9ヶ月頃に、私がお風呂に入ると泣く、ということが1ヶ月くらい続きましたが、寝るときも、「あれ?」という間にひとりで寝てくれるような子でした。

 もちろん、起きている時は、なるべく一緒に遊び、話しかけ、抱っこし、コミュニケーションをとってきたつもりです。でも、それだけでは足らなかったのかもしれませんね。一人で寝てくれても、やはり添い寝をしてあげなければいけなかったのでしょうね。

 発達が遅れている子供についての本に、「障害児の多くは、手のかからなかった子と母親が感じている」と書いてありました。やはり、私の接し方に問題があったのかもしれません。1歳検診で小児科の先生から「親の接し方に問題があるのでは」と言われて、ショックでしたが、あたっていたのかも・・・。もともと、障害のない子供でも、親の接し方によって、遅れがでたりするものでしょうか。決して、放りっぱなしにはしていませんが、よく泣く、母親べったりの子供にくらべれば、やはり、コミュニケーションが少なかったと思います。それに、私は母乳がほとんど出ず、ミルクで育てました。

 最近、長男が私のおっぱいをさわるようになりました。これは、良いことですよね。さおり先生のアドバイス通り、今までよりもっともっと遊んで、抱っこして、愛していきます。それが一番の薬ですね。”障害があるかもしれない”という思いは消えませんが、1日1日を頑張っていきます。

 お忙しいとは思いますが、これからも私の話を聞いて頂けたら、とても嬉しいです。パソコンを通して、さおり先生に相談にのっていただける事が、私にとって、大きな励ましです。これからも宜しくお願い致します。



尾木


 コミュニケーションの発達に遅れがある子は、Hさんがおっしゃるように生まれつき手のかからない場合が多いようです。一人でおとなしく遊んでいるし、きげんよく寝てくれる。あまり母親にまとわりつくこともないので、ついつい淡泊な子育てになる傾向があります。

 それに対してお母さんじゃないとダメ、と泣き叫ぶような子はお母さんの育児意欲を引き出し自然にスキンシップや目と目との接触も多くなりその結果、心のつながりも深くなってきます。

 つまり子どもの生まれ持った性質により子育てが影響され、その子育てによりさらに子どもの心ができあがっていくともいえます。ですから親の育て方にのみ、原因があることは決してないと私は思います。

 前回のメールで紹介した渡辺先生がよく言われることに「子どもにはいろいろなタイプがある。厳しい環境でもたくましく育っていくタンポポのような子もいれば、非常にデリケートな配慮が必要なランの花のような子もいる。子どもがどういうタイプの子どもか理解し、その子にあった育て方をしてあげなくてはならない」というのがあります。

 コミュニケーションに遅れがあると言われる子は育て方に配慮がいるランの花タイプと言えるかもしれません。一見手はかからないのですが、実は普通の子の何倍もスキンシップや目と目の接触を心がけてしっかりと育ててあげなければいけないのかもしれませんね。

 しかしまだまだ一才六ヶ月です。結論を出すには早すぎますし、これからいくらでも取り返すこともできます。また子どもは徐々にのびるのではなく、ある日突然、階段を一段上がったかのような大きな進歩を見せることもしばしばあります。

 そしてランの花にはランの花なりのすばらしい個性が隠されていて、手をかけて育てた分だけめったにないような、大きく美しい花を咲かすかもしれません。

 メールを読み、お返事を書くぐらいしかお力になれませんが、いつでもどんなことでもいいですから、遠慮なく相談して下さい。



相談

 さおり先生、お返事ありがとうございました。今日、1歳6ヶ月検診の再検診がありました。今日は、前回と違い、小児科の先生以外に、小児神経科のお医者さんにも診察して頂きました。

 実際に先生が、おもちゃを使って遊んで下さりながら、長男の様子を診て下さいました。その結果、母親とのコミュニケーションもきちんと取れているし、自分だけで遊ぶのではなく、私や先生を交えて遊んでいる。視線も遊んでいるときにちゃんと合っているので、今の時点でそれほど心配する事はない、との事でした。

 前回は、2、3分の診察でしたが、今回は30分くらい診ていただき、話も聞いていただきました。完全に心配が消えたわけではありませんが、かなりホッとしました。それに、ここ数日、長男に今までなかった成長がみられます。積み木を積んで私に”拍手しろ”というように、私の両手を持って、パチパチさせたり。絵本に興味を示したり。自分のして欲しい事を伝えようとする仕草がみられます。毎日、何かしらの新しい変化が見られます。長い沈黙をやぶって、成長する時期が来てくれたのでしょうか。だとしたら、嬉しいのですが。

 さおり先生のメールに、とても励まされる思いです。ランの花の様に、精一杯手をかけて大切に育てていきます。いつか、きれいな花を咲かせてくれる事を信じて・・・

 とにかく、さおり先生のアドバイス通り、今まで以上に触れあいを大切にして頑張ります。渡辺先生のご本を読んでみようと思います。長男と一緒に私自身も成長したいです。

 まだまだ、心配の種は尽きません。また、話を聞いて頂けたら、幸せです。ご迷惑かもしれませんが、これからもよろしくお願いいたします。



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