湿疹と思ったら  

 このところ「アトピー性皮膚炎」という言葉をよく耳にされると思います。湿疹を見たらアトピーで、アトピーだったら食物制限が必要というような間違った認識がいつの間にやら定着しています。合成保存料、着色料など、人の体に不必要なものはそれがアレルギーの原因でなくても食べないほうが良いのですが、卵、牛乳、大豆などは子供の成育には必要な食べ物です。これら人間にとって必要不可欠な食物を制限するときには、 その食物があきらかに悪いという根拠がはっきりしているときだけにしましょう。事実湿疹の原因で多いのは、肌の汚れ、汗、肌に直接触れるもので、その次に体質も関係しているという程度のものです。 その体質の一つに「アトピー性皮膚炎」があるということです。

汗と汚れが大敵。 湿疹の治療はまず石鹸でよく洗うことです。 ビニールタオルを使用したり、ゴシゴシ強くこすったりしてはいけませんが、汚れは必ず取り除かなくてはいけません。赤ちゃんの顔には脂漏性湿疹という湿疹がよくできますが、これも石鹸で洗うだけで大体は良くなります。

 汗に関しては寝ている時と風呂あがりに注意しましょう。 赤ちゃんは寒さに弱いのですが、暑さにも弱いのです。つまり適応できる温度の幅が狭いのです。 冬場の乳児健診の時でも「あせも」を作っている赤ちゃんを時々見かけます。お風呂上がりには少し冷ましてから服を着せてくださいね。

合成洗剤をやめること。  湿疹の中でも、肌に触れるものが原因となって起こるものを「接触性湿疹」と言いますが、家族の方がアトピー性皮膚炎だと勘違いしている場合がよくあります。肌に直接触れるものは何でも湿疹の原因になりますが、中でも一番多いのは、「合成洗剤」が原因となっている場合です。河川の汚濁など環境問題でも一番困らせているのが合成洗剤ですが 、肌のためにも本当は良くないのです。 毎年厚生省が日用品と湿疹との関係を調査していますが、一番多いのはいつも合成洗剤です。 「おしめかぶれ」の数倍の値を示していました。 洗濯に使用する洗剤は成分表示を見て、「洗濯用石鹸」と書かれているものだけを使用しましょう。柔軟仕上げ剤、塩素系漂白剤なども使用しないで下さい。漂白が必要なときは酸素系の漂白剤を使用してください。

スキンケアが大切。 スキンケアをきちんとすることで、 湿疹の半分以上は治ります。 又「アトピー性皮膚炎」になったならば尚のことスキンケアをきちんと実行しましょう。 汚れた湿疹をそのままにしたり、 肌を痛めつけながら軟膏を塗っても完治しません。薬を塗ったり食事制限をするにしても、基本となるスキンケアがきちんと出来ていて初めて効果が出るのです。

ひどい湿疹は消毒を。 湿疹を爪などでひっかいてしまい、 血液や滲出液が出ているときは細菌感染する可能性もありますから、消毒をしてから軟膏を塗るようにしてください。ひどい湿疹が全身にある場合は、 お風呂のお湯に消毒液を混ぜてそれに浸かるようにしましょう。そうすることにより、痒みも減り、多少の湿疹なら1週間程度で治ります。
 肌と肌が接しているところ、例えばひじの内側、ひざの裏、首、耳たぶの下等に出来た湿疹で、 かゆみが強く何度も繰り返し出来る場合は「アトピー性皮膚炎」の可能性があります。 その場合も一番の治療はスキンケアです。「肌に良いのは水と空気」を標語に、正しいスキンケアを実施してください。

当医院では消毒液として「強酸性水」マスキン(ヒビテン)液を出しています。 

塗り薬の正しい使い方

  清潔な指先か手のひらに軟膏を付けて力を入れずに皮膚のキメにそって延ばします。1日に2〜3回塗るのが原則です。 朝は衣服を着替えるとき、夜は風呂上がりの皮膚が乾燥する前に、塗ってください。 塗る量は十分に塗ります。塗った軟膏が次に塗るまで残っている必要があるからです。